モノクロームといってもブラック&ホワイトの世界ではありません。むしろその対極にあるような鮮烈な色彩体験です。製品のあらゆるパーツを――ファブリックもジッパーもロゴさえも――ビビッドな単一色に染め上げたかのようなカラーリング。ラインや色の切り換えなどもほとんどありません。これがホグロフス流の「モノクローム」のようです。
MONOCHROME BY HAGLÖFSは、新しいIntenseラインのデザインに与えられたキーワード。こちらの作り込まれた特設サイトで、全体像をブラウズできるのですが、これはやられました。新しいのではないでしょうか。
キーカラーになっているのは、Cosmic Pink、Gale Blue、Firefly。
※製品には他の色のものもありますが、MONOCHROME BY HAGLÖFSのプレゼンテーションではこの3色が象徴的に使われているようです。
それぞれざっくり言うとピンク、水色、黄緑ですが、単に派手なだけではない絶妙な色味で、かつそのうちの1色しか使わないことによって、強力にその色を意識させるという戦略的なカラースキームです。
ちなみにIntenseは、トレイルランニングを始めとするハイパルス・アクティビティ向けのホグロフスの製品カテゴリー。超軽量で機能性の高いイノベーティブなアイテムをラインナップしています。であるなら、デザインもそれにふさわしくイノベーティブであるべき、という意思が感じられます。
このデザインがもっともわかりやすいのはシューズでしょう。
上の写真はGore-texを採用したトレイルランニングシューズGRAM AM Q GT(ウィメンズモデル)のCosmic Pinkですが、複雑に張り合わされたさまざまなパーツが見事にすべて同じ色です。こんなシューズはあまり見たことがありません。
製品としてgeared的に気になったのは、記事冒頭の写真にあるシェル GRAM COMP PULL。冒頭のモデルはGale Blueカラー、下の写真はFireflyカラーです。
Gore-Tex Active Shellを使った195g(Lサイズ)の軽量シェルで、トレイルランニングなどのシーンで人気が高いプルオーバー仕様です。Outdoor Industry Award 2012を受賞したモデルでもあります。
また、Intenseラインのマーケティングの一環として、スマートフォンアプリもリリースされています。
クロスカントリー・スキー選手で、オリンピックのダブルゴールドメダリストであるMarcus Hellnerが週替わりで別のスポーツにチャレンジ。ユーザーもその記録に挑戦することができるという計測アプリになっているようです。iPhoneおよびAndroid版があります。
製品をめぐる生態系全体に、トータルに広義の意味でのデザインがしっかり施されています。彼らは単に、衣服や靴やかばんといった「物体」だけをユーザーに提供しているのではない、ということがよくわかります。
- 製品名1
- GRAM COMP PULL
- 製品名2
- GRAM AM Q GT
- メーカー
- HAGLÖFS
- 価格1
- ¥39,900
- 価格2
- ¥23,100