
ひとことでランナーと言っても、マラソンを2時間一ケタ台で走るトップランナーから楽しくジョギングしたいファンランナーまでその幅は実に広い。ランニングシューズも同様で、エリートランナーのための一足と、初マラソンを無事完走するために選ぶ一足は、コンセプトも見た目も履き心地もまるで別ものだ。
先日3代目が発売になったばかりのアディダスのadizero takumi sen boostはまさに前者。実業団や箱根駅伝レベルのランナーがレースで勝つために選ぶシューズだ。これまで数々のオリンピックメダリストのカスタムシューズを手がけてきた現代の名工とも言える三村仁司氏を専属アドバイザーに迎えて「日本のランナーを速くする」という命題を形にした、何から何まで本気の一足。年明け早々に行われた発表会で私は、タイムも体脂肪率もエリートランナーたちとは天と地ほども違う身ではあるが、この神々しいシューズに足を入れる機会をもらった。

クッション素材BOOSTが前足部の小指側に入れられていることがわかる。
軽さとフィット感のよさは折り込み済みだったが、履いてみて意外だったのがクッション性。このクラスのシューズとしては異色のソフトな接地感に驚く。その理由はアディダス肝入りのクッション素材BOOST。さらに興味深いのが、その配置個所。前足部のみに入れられていて、蹴り出しの時に加重がかかる小指の付け根部分をカバーする形状になっている。このあたり、試行錯誤と研究を重ねた上で作り込まれていることがうかがえる。従来のEVAという素材に比べて反発性にも優れたBOOSTを、衝撃吸収のみならず推進力を得るために利用するという発想だ。

sen より踵のクッション性を向上させたエリートランナー向けトレーニングモデル adizero takumi ren boost も同時発売された
三村氏は言う。「特に意識したのはマラソン。勝負どころとなる30km過ぎで脚がへたらないためには、脚への負担を軽減する衝撃吸収性が必要になる。BOOSTを適所に配置することで、トップランナーの走りに合う形でそれが実現できた」
研ぎすまされたルックスの内に秘められた、「名工」のやさしさ。サブスリー[*1] レベルの上級市民ランナーの勝負シューズとしても機能しそうだ。
*1: フルマラソン(42.195km)を3時間を切るタイムで走ること。
- 製品名1
- adizero takumi sen boost
- 価格1
- ¥17,820(税込)
- 購入1
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- 製品名2
- adizero takumi ren boost
- 価格2
- ¥16,740(税込)
- 購入2
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- メーカー
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