
「キャンプツーリング」という昔からあるカルチャーを、「バイクパッキング」という名前に変えて、もう一度ムーブメントとして盛り上げる動きが今、盛んです。
自転車で旅をする(野営要素をプラスする)このバイクパッキングというクロスオーバーな遊びの中では、道具もオールマウンテンというか、バイクウエアとマウンテンウエアの中間をいくようなものが少しずつ出始めている印象があります。
※編集部注: 本稿は千代田高史さんの談話をもとに、編集部が文章化しています。
MTBの聖地、カナダのスコーミッシュで生まれた7meshというブランドは、自転車で前傾姿勢をとった際にピタッとフィットする、機能美に優れたデザインが特徴ですが、個人的にはトレイルランニングや登山といった、バイク以外のシチュエーションででも積極的に投入できる性格を持っているなと思い、注目しています。

RESISTANCE JACKETの背面両脇にはベンチレーションがある。バックポケットも。
1つ目に紹介したいのは、同ブランド内で「7HOURS」というカテゴリーに位置づけられている RESISTANCE JACKET。「7HOURS」というのは、7時間程度=ワンデイという意味。「ワンデイのサイクリングで想定されるシチュエーションで使って」というカテゴリーに属した、長時間使用のための耐久性よりも軽さや薄さを重視したモデルで、よりアクティブなシチュエーションでの使用を前提にしているというわけ。
この RESISTANCE JACKET は128gと驚くほど軽く、着心地も柔らか。背中側にはベンチレーションがあり、常に体の熱を効率的に外の放出してくれるので、これからの蒸し暑い時期には強い味方になってくれるはずです。

RESISTANCE JACKETの内側。シームシーリング(目止め)されていることがわかる。
使用されているWINDSTOPPER Activeという素材は、昨年マニアックなユーザー同士で話題を呼んだ、ヘリテイジの軽量雨具とおそらく同じもの。完全防水……とはおおっぴらには言えないまでも、内部をフルシームシーリングで仕上げているので、ちょっとした雨なら全然しのげるレインウエアとして活用できちゃいます。
また(自転車用)ヘルメット着用前提のため、フードも付けていないという点もネガティブに捉えることはありません。防水ハットなどと組み合わせつつ、シチュエーションを選ぶことで様々なスタイリングを楽しめそうです。
ウインドシェルと防水シェルの間を埋める、「ちょっとしっかりしたウインドシェル」として使える面白い存在ですし、自転車だけでなくランニングのシチュエーションで着てみても面白そう。リアルなサイクリストにはもちろんおすすめですが、ピタッとジャストフィットが前提のところを、あえてちょっと大きめのサイズを選べば、ハズした感じのアイテムとして可愛らしく着こなすこともできると思いますよ。

7meshのフラッグシップモデルREVELATION JACKET。
一方で、より長期に及ぶバイクパッキングを想定して作られているのが、「7DAYS」というカテゴリーに位置する REVELATION JACKET です。
こちらはハリのある3層のGORE-TEX Proを使用しながらも、重量を250g程度に抑えているのが特徴。40デニールというある程度の厚さと硬質さを備えているので、防水シェルとして山中の稜線上でも安心感がありますし、激しい雨風も耐えしのげる作りになっています。

肘と脇にベンチレーション。ライド中には肘から入った空気が脇から抜けることが期待できる。
また両肘部分と体の側面部に付いたジッパーを開けば、自転車で前に進んだときに、新鮮な空気を体の周囲で常に循環させることができます。前傾姿勢を前提に作られたベンチレーションなので、自転車乗りには最適な涼しいウエアといえるでしょう。
なお、価格はそれなりにしますが、街でも普通に着られるデザイン性の高さがあるのは嬉しい点です。昔のArc’teryxのような、抑制された風合いのイエローがカッコいいですし、暖かい季節の山や街での使用を前提にするなら、タイトめなサイズを選んで、ピタッと着るのもアリだと思います。

フードが取り外し式なのも自転車向き。
いずれのウエアも、山サイ[*1] 的なMTBや、ロードの自転車旅などにはピッタリのアイテム。軽さと機能性の高さでバイクパッキングの快適さを確実に高めてくれるはずです。
*1: 山岳サイクリングのこと。
- 製品名1
- RESISTANCE JACKET
- 価格1
- ¥36,500(税別)
- 製品名2
- REVELATION JACKET
- 価格3
- ¥64,000(税別)
- メーカー
- 7mesh
- 購入
- Moonlight Gearほか