
近年注目を集めているパックラフト。その代表的メーカーであるAlpacka Raftが新製品としてコアなジャンル向けの製品をリリースしています。Alpacka Gnu と名づけられたこの艇がそれ。
でもどこがコアなのか? いわゆるホワイトウォーターカヤックではなくカナディアンカヌーで、シングルパドルを使ってホワイトウォーター(急流)を攻めるという、日本ではあまり知られていないジャンルを想定して、それをAlpacka Raftのアプローチで形にしたモデルだからです。
コックピットのセンターに縦にチューブが走っているのがわかるでしょうか? オートバイに乗るときのニーグリップのようにこのチューブを跨いで、足で挟むことで艇と身体を固定し、立ち膝の体勢で操縦するようになっています。ホワイトウォーター用のカナディアンカヌーではサドルが付いていて、やはりそこに跨って立ち膝の体勢で操縦します。
Alpacka Gnuは2人乗り。本格的なホワイトウォーターを、シングルパドルのカヌースタイルで下ることができるようにデザインされたパックラフトです。そのため、2人用のホワイトウォータースプレーデッキも用意されています。
また、船体が長いことや、センターチューブがキール(竜骨。船底を縦に走る材)のような効果を発揮することで、従来のモデルよりは静水での直進性が比較的高く、2人乗りのフィッシングカヌーとしても活用できるとのことです。
※とはいえ静水専用のボートではないので、風や潮流などに対しては弱く、十分な注意が必要とのこと。
こういうユニークな製品に出会うことで、それまで知らなかったアクティビティ――たとえばカナディアンカヌーでホワイトウォーターを攻めるというジャンルがある!――を知るというのは、人生にとってとても貴重な機会だとgearedは思います。そこから新しい楽しみが広がるかも知れない、新しい価値観に気が付くかも知れないからです。
ただし、パドリングスポーツは、安全のために正しい知識と技術が不可欠なアクティビティ。Alpacka Raftを日本に輸入しているSunnyEmotionさんでは、パックラフトを始めるにあたって知るべき情報は複雑で膨大、しかも体得するには実際にやるしかないことも多いため、ツアーを開催して経験を積んでもらうようにしているとのこと。
急流には行かないとしても、すべての人に、少なくとも「川下りの基本テクニック動画(英語)」の内容は把握しておいてほしいとSunnyEmotionさんは呼びかけています。
また、「緩やかな川でも危険は存在し、コンディションも変化する。湖や穏やかに見える海でも風や潮流の影響は非常に大きい」ので、「アルパカラフトの『弱点』」を参考にしてほしいとも。
最近はカヤックフィッシングやSUPでの遭難事例も報告されているそうなので、パドリングスポーツ初心者のわれわれは、ぜひ心したいところです。
- 製品名
- Alpacka Gnu
- メーカー
- Alpacka Raft
- 国内問い合わせ
- SunnyEmotion