
英国のバイクブランド Charge Bikes がきわめてデザイン性の高い自転車パーツを作る新ブランド Fabric を始動させ、話題を集めています。Fabricが現時点でもっとも注力しているプロダクトはサドル。Chargeはこれまでも手頃で悪くないサドルのラインナップを持っていましたが、それを継承発展するようなかたちで、より革新的なラインナップを築こうとしています。

バッファローレザーをアッパーに採用したALM。
たとえば、もっともハイスペックなモデルである ALM は、カーボンファイバーベースにカーボンファイバーレールのロードサドルですが、面白いのはレール後部がベースと接続している位置を従来のサドルよりも左右の端の方にズラしていること(冒頭の写真をご参照ください)。
このデザインによって、ベースがしなる面積を広げることができ、それによってサドルがよりライダーの身体に追随することを狙っているようです。ちなみにこの技術は、あのエアバス社(!)とのコラボレーションによるものだそうです。アッパーにバッファローレザーを使ったモデルが最上位です(最高に欲しい)。

空気をクッションとして使うコンフォートサドル Cell。
Cellというコンフォート系のサドルも、そのユニークさが一見して伝わってきます。このルックスと冠された名前が示すように、中に空気が密封された小胞がクッションの役割を果たすように作られています。小胞がライダーの体重をサドル全体に均等に分散させると同時に、すぐれたクッション性によって衝撃を緩衝したり、振動を吸収働きをするのだとか。こちらは2015年春発売予定とのこと。

シンプルなScoopの、これはFLAT ULTIMATEモデル。ベースもレールもカーボンファイバーで重さ162g。
Scoop はもとは Charge Bikes からリリースされていたサドルで、それがバリエーション豊かに展開されています。Fabricの主力製品になるのではないでしょうか。
Flat、Shallow、Radiusとアッパーの厚みによって3つのスタイルに分かれ、さらにそれぞれにELITE、RACE、PRO、ULTIMATEと4つのグレードが用意されているので、3×4=12種類のモデルがあります。しかもELITEには豊富なカラーバリエーションもあるので、すごい選択肢の数になります。いずれもデザインは非常にシンプルでスマート、かつスタンダード感があり、価格の幅も広いので、誰でも自分にあったモデルを選ぶことができそうです。

中央のスリットが大胆なLine。
Lineはかなり遊び心がある見た目ですが、そのデザインのユニークさがそのまま陰部の血流を妨げないセンターの溝の機能になっているというサドルです。センターにスリットがあるサドルは市場に数えきれないほどありますが、これはかなり大胆な切込み方のように見えます。座り心地が気になるところですが、メーカーは「最上の快適さ」だと言っております。2015年春発売予定。
このように、Fabric のサドルはどのモデルも優れたデザインと機能を備え、それぞれに非常に個性的です。ストレートハンドル用のグリップやドロップハンドル用のバーテープもラインナップされています。
はっきり言って欲しいのですが、原稿執筆時点では、Fabric のサイトでは「STORE COMING SOON」という扱いになっています(他の海外の自転車ショップのサイトなどでは販売されているところもあります)。
ところで、キャノンデール と Charge Bikes が 英国では同系列の会社という関係性もあってか、2015年のキャノンデールの完成車の一部には Fabric のサドルが採用されているようです。