
こんなシューズが欲しかった!という人も少なくないのでは? 面白い新製品だと思います。サロモンの新しいマウンテニアリングギアのシリーズS-LAB X ALP(エスラボ・エックス・アルプ)から登場した「登山靴」3種です。
やはり最上位モデルの S-LAB X ALP CARBON GTX に真っ先に目が引かれます。冒頭の写真――12本爪のアイゼンを付けた雄姿をご覧ください。かと思うと、アイゼンなしではまるでトレランシューズかと思うようなシュッとしたスタイルです。

ゲイターが一体化し、シュッとしている。速そう。
このコントラストが物語るのは、軽やかに高速にトレイルを移動することができる一方で、岩や氷、雪にも対応できるシューズだということ。実際このシューズの開発コンセプトは「たった一つのシューズで不自由なく、快適にシャモニー(モンブラン麓のリゾート)からモンブランの山頂を往復したい」ということにあったのだとか。なるほど。
だからソールは柔軟でありながら、必要十分な剛性を保つという相反する特性を両立することを目論んでいます。そのために備えているのが、ミッドソールとアウトソールの間に入っているエッジングシャーシ。この独特のカッティング形状は、縦方向には柔軟に曲がりますが、横方向に対しては一定の剛性を持つように機能するのだと想像できます。

中央がエッジングシャーシ。
それにより、地面の形状に柔軟に追随してグリップを確保しつつも、靴の側面などの角(エッジ)を使って身体を保持するエッジングのしやすさも実現しているようです。
一般にエッジングはソールが硬い、いわゆる登山靴の方がやりやすいとされることが多いですが、S-LAB X ALPのシューズは「柔軟なのに硬い」というわけです。
このエッジングシャーシは3種類のX ALPシューズいずれにも入っていますが、S-LAB X ALP CARBON GTXのエッジングシャーシだけはカーボン製を採用しているとのことです。

ソールもしっかりしたラグがあり、多様な路面環境に対応。
S-LAB X ALP CARBON GTXのシューズアッパーと一体化しているゴアテックス採用のゲイターも非常に興味深いところです。たしかにこれだけで、ドライな麓から多少積雪のある頂上まで対応できるでしょう。
無雪期は軽いハイキングシューズやトレランシューズで登るスタイルだけど、冬はアイゼンを付ける必要があるから硬い登山靴を履いていた、というハイカーにもこのシューズは魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。
ちなみにアイゼンは指定モデルのみに互換性があるとのこと。たとえば、GrivelのAir Tech LightやPETZLのVASAK FLが適合するようです。

X ALP MTN GTX。
また、X ALP MTN GTXはミッドカットのハイキングブーツのような親しみやすいスタイルに、上記S-LAB X ALP CARBON GTXと同様のソールを備えたモデル。X ALP GTXはさらに軽快にローカットにしたモデルです。
さらに、アパレル――アノラックとパンツや20Lのバックパックもラインナップしています。
これからの季節~残雪期の登山に導入したくなる個性あるシリーズと言えます。
- 製品名1
- S-LAB X ALP CARBON GTX
- 重量1
- 500g(27cm)
- 価格1
- ¥42,000(税別)
- 製品名2
- X ALP MTN GTX
- 重量2
- 550g(27cm)
- 価格2
- ¥38,000(税別)
- 製品名3
- X ALP GTX
- 重量3
- 410g(27cm)
- 価格3
- ¥22,000(税別)
- メーカー
- サロモン
- 発売日
- 2015年2月上旬より順次発売予定