
すでに各所で話題になっているプロダクトですが、確かにこれは魅力があります。このMaxwell EP0がこれまでの電動アシスト付自転車と決定的に違うのは、やはりそのストリート感のあるデザインでしょう。こんなのは今までなかったし、これなら欲しいという人も多いはず。
ご覧の通り、ホリゾンタル(トップチューブが水平)なスチールフレームで、シングルスピードのバイクとほとんど見分けがつきません。単に実用車としてではなく、アーバンサイクルカルチャーの文脈に位置づけたことがとても新鮮ですし、ホントにこの仕様で世に出るなら非常に魅力的です。

フロントハブがモーターになっている。
このデザインを可能にしたポイントは2つ。まず、モーターをフレームに積まずにフロントホイールのハブに搭載したこと(これ自体は珍しいわけではありませんが)。そして、バッテリー部分をボトムブラケット[*1] のあたりに目立たないようにコンパクトにまとめたことでしょう。
この2つの設計によってEP0は、従来の電動アシスト付自転車のように特殊なフレーム形状を取ったり、特殊な部品を使ったりする必要がなく、通常の自転車パーツやアクセサリをそのまま使うことができたのです。

チェーンホイールの向こうに見える黒い箱にバッテリーなどの電力周りが収まっている。
これはサイクリストなら、非常に刺さるポイントと言えます。チェーンホイールもリアのギアも通常のスポーツサイクルのパーツが使われていますし、自分で好みのパーツに組み替えることもできるでしょう。
*1: クランク(ペダルが付いている棒)の軸が通っている鞘に当たる部位。
そして重量は12~14kgに抑えられていて、これは日本の一般的な電動アシスト自転車の約1/2の重さです。シングルスピードのバイクに比べると少々重めですが、十分スポーティな乗り方ができるでしょうし、担いでビルの階段を登ることもできるでしょう。

従来の電動アシスト自転車だと、こんなふうに担いで階段は無理だった。
ただし、EPOのバッテリーの航続距離は16~24キロで、日本の電動アシスト自転車に比べると半分程度しかありません。でも、街での日常生活のためのバイクとして考えれば、必ずしも何十キロも走れる必要はないとも言えます。45分間で電池容量の90%まで高速に充電できるとのことです。
それにしても、どうしていままでこれが作れなかったのでしょう? EP0のモーターやバッテリーの技術は超スゴいのでしょうか? それもあるかも知れませんが、パッケージング(アッセンブリー)における(広義の)デザインの問題だったような気もします。